君を想うとⅢ~True love~

ヒドイ女と罵られても




少し肌寒いくらいの夜風を浴びながらアリストコートの前に立ち。



ガチャリと玄関の扉を開けて


「ただいま。」



と呟くと




「おっかえりー!!伊織!!」


理央はもう帰っていて、リビングには美味しい匂いが立ちこめていた。





「いい匂い♪
今日のゴハンは何なの??」







リビングのソファーにボスッと荷物を置きながら訊ねたら






「ジャジャーン!!今日は精力つけるわよってコトでニンニクたっぷりのギョーザと中華スープよっ!!」






理央はカリカリに焼かれたギョーザを私の目の前に差し出して自慢げに答える。





「わっ!!じゃあビール飲みたい!!」








ギョーザにはやっぱりキンキンに冷えたビールでしょうっ!!






そう思って冷蔵庫を開けるとビールは350mlの缶が2本しか入っていない。








「ねー、理央。ビール2本しかないよ?」


「えっ、マジで!!??
あちゃー確認するの忘れてたわ。」









そう言って、理央は心底悔しそうにキッチンにうなだれかかる。








――理央…飲むの好きだからなぁ。









理央も私もアルコールが大好き。
特に理央は『この一杯の為にあたしは1日働いてんのよっ!!』って豪語しながら夜な夜なこのキッチンで晩酌をするのが日課。







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