君を想うとⅢ~True love~
お、おしかけ女房……???
一ノ瀬のびっくり発言に
呼吸は止まり
思わず目が点々になる、俺。
呆気に取られながら一ノ瀬の顔をガン見していると
「あたしね?センパイを1番幸せにしてあげられるのは、自分だって自惚れてるの。
だから決めたの。
サンフランシスコに住んで、センパイの一番近くでセンパイを追いかける……ってね。」
「は?住む??」
「そう。この1週間で就活しようかと思ってさ。
我ながらすごい行動力でしょ??」
「はぁぁぁぁーっ!!??」
目の前にいるおかしな珍獣は、こんなイタイことを言い始めた。
「ホンキ…??」
「ホンキもホンキ。大真面目よ。」
そういってあっけらか-んとケラケラと笑う一ノ瀬を見て
俺は体中から力が抜けた。
“オンナは強し”っていうけど……
強すぎるだろう!!!!
なんだ、コイツの行動力と決断力は!!
イスの背もたれにどっかりと体を預けながら
「俺…お前に勝てる気だけはホントにしねぇわ。」
と呟くと
「ふふっ、ありがとう。
センパイみたいに子供でまっすぐで純情なオトコはね。
あたしみたいに強い女の手のひらの上で自由気ままに生きていくのがお似合いなのよ。」
そう言って。
一ノ瀬は優しい目をしながら、俺の頭を優しく撫でた。