君を想うとⅢ~True love~
高宮に最初に会ったら何を話そうか。
いや…会ったら話なんて出来ないかもな。
抱きしめて、
引き寄せて、
我を忘れてキスしてしまいそうだ。
1年ぶりの代官山。
1年ぶりのアリストコートの玄関前。
未だにアイツが住んでいるのかはわからないけど…
しょうがない。
よし、行こう!!
そう…決意をしてエントランスをくぐろうとした時。
「あ~っ!!しゅーちゃん、まって!!」
俺の耳に。
誰より愛しく、
誰よりも恋しい、
彼女の声が聞こえてきた。
――高宮!?
思わず身を隠して、そぉっと声のする方向を見て…
俺は愕然とした。
「遅ぇよ、伊織!!」
「ごめん、ごめん。お出かけ用の哺乳瓶忘れちゃって。」
「え?哺乳瓶ならこん中入ってるぞ?」
「それはおうち用!!お出かけの時はこのセリーヌの哺乳瓶ってきまってるのっ!!」
「はぁ~っ!?なんだそりゃ!!」
俺の視界の中にいたのは…
ベビーカーを面倒くさそうに押す藤堂と、嬉しそうに哺乳瓶を見せる高宮の、幸せそうな姿。