こねたぼっくす
教室を出ようとする美華ちゃんに声を掛けた。
廊下側の席でよかった。
「美華ちゃん、どこ行くの?」
「保健室行くの」
「あ、そうなんだ。いってらっしゃーい」
「いってきます」
手を振って見送って、あとから考えた。
普通に見送ったけど、弁当持って保健室っておかしくない?
怪我した訳じゃなさそうだし、徳永と知り合いなのか?
斗真に近寄りながら考える。
「斗真ーメシ食おーぜ」
「おー」
前の席に横向きに座って弁当を広げる。
あー考えてもわかんねぇや。
斗真なら知ってるかな?
知らなさそうだけど、話題として出してみよう。
「そう言えば美華ちゃんって徳永と知り合いなのかね?」
「は?」
あーこの感じは知らなかったな。
まあ知ってるとは思ってなかったけどさ。
相変わらず避けられてるし。
「さっき弁当箱持って教室出ようとしてたからさ、どこ行くの?って聞いたら保健室って言ってたから…」
知り合いなのかと、思って。
最後まで言う前に斗真が席を立った。
「斗真、どこ行く気だよ!?」
「ああ!?決まってんだろ、保健室だよ!!」
体育祭でも滅多に走らないのに、まじで走っていた。
残された俺は近くにいた奴に事情を聞かれたけど放っといた。
とりあえず一言言わせてくれ。
お前、余裕なくって闘牛みたいだな。
曇った空から少しだけ青空が見えた。
あーあー、また2人は近付くんだろう。
それかまた斗真がやらかして振り出しに戻るかだ。
俺としては後者に期待。
斗真って案外暴走するしな。