こねたぼっくす



「うっ…うぅ…っ」

「…はい、ティッシュ」

「あ"りがとー」


涙と鼻水で顔がやばいことになってる果恵にティッシュを渡す。

普段はサバサバしてるのに、実は涙もろいんだよね。

あんまり知られてない事実。


「サンタいるよ、ね…っ?」

「…うん、知ってる」


鼻をかむ果恵の頭を撫でる。

でも俺が見ているのはそこにはいない美華ちゃん、で。

美華ちゃんもサンタを信じてるんだろうか。

純粋な美華ちゃんなら信じてるかもなぁ。


「っ…廉?」

「ん?」

「…九条ちゃんが、好きなんだよね」

「…うん」


初めて誰かに、この気持ちを伝えた。

美華ちゃんに伝えることなんて出来ない。

斗真にも、家族にも言えなかった。

まさか果恵に言い当てられるとは思わなかった。


「九条ちゃんは、いい子だけど…でも、」

「果恵、…言わなくても、わかるから」


俺に見せてる美華ちゃんと、斗真に見せてる美華ちゃんは違う。

どこで差が出来たのかなんてわからないけど明らかに差がある。

その時点で俺は、斗真には勝てないんだよ。






< 32 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop