こねたぼっくす
「うっ…うぅ…っ」
「…はい、ティッシュ」
「あ"りがとー」
涙と鼻水で顔がやばいことになってる果恵にティッシュを渡す。
普段はサバサバしてるのに、実は涙もろいんだよね。
あんまり知られてない事実。
「サンタいるよ、ね…っ?」
「…うん、知ってる」
鼻をかむ果恵の頭を撫でる。
でも俺が見ているのはそこにはいない美華ちゃん、で。
美華ちゃんもサンタを信じてるんだろうか。
純粋な美華ちゃんなら信じてるかもなぁ。
「っ…廉?」
「ん?」
「…九条ちゃんが、好きなんだよね」
「…うん」
初めて誰かに、この気持ちを伝えた。
美華ちゃんに伝えることなんて出来ない。
斗真にも、家族にも言えなかった。
まさか果恵に言い当てられるとは思わなかった。
「九条ちゃんは、いい子だけど…でも、」
「果恵、…言わなくても、わかるから」
俺に見せてる美華ちゃんと、斗真に見せてる美華ちゃんは違う。
どこで差が出来たのかなんてわからないけど明らかに差がある。
その時点で俺は、斗真には勝てないんだよ。