こねたぼっくす



「れーんーっ!」

「…果恵?」

「テンション低っ!今日クリスマスなんだけど?」


そう、クリスマス。

記念日がクリスマスだなんて素敵じゃないか。

小説が好きな美華ちゃんにはピッタリだ。


「うちは無宗教なので関係ありませーん」

「知ってるけどさ、せっかくなんだし出掛けようよ」

「えー…」


すっげぇ嫌だ。

人が溢れ返ってるだろうし、もし斗真たちに会ったりしたら…

今日の枕はびしょ濡れ確定だ。


「…まあいいや、DVD借りてきたから見ていい?」

「そのつもりでしょ」


あくびをしながら答える。


元から俺が出掛けるつもりがなかったのは気付いていたらしい。

じゃなきゃ強引な果恵が諦めるはずないし。


セットをしてベッドに寄り掛かる果恵を見る。

どうして俺は、自分を見てくれない人を好きになるんだろうなぁ。

果恵はずっと、俺を見てくれてるのに。

近すぎて恋愛対象外ってことか?


画面に目を移す。

それは外国のクリスマスの話だった。

ある日主人公は、サンタクロースがいないことを知ってしまう。

それでもサンタクロースを探して旅に出る、そんな話。



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