闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
男たちは、私たちを奴隷のように扱ってきた。
物としてしか扱われず、無惨な日々を過ごして来たわ。
それでも大切にされたくて、歌を歌っては人々を魅了してきた。
けれど、私たちは良いように利用されるだけで愛されることはなかった。
「どうして? みんな素敵で優しいのに。 愛されないなんて…… 」
レーアは切ない表情を見せると、首を振った。
「樹里はいい子ね。 もっと早く出会いたかった 」
意味が分からず、首を傾げる。
そんな顔しないで。
「取引しましょう。 あなたたちの探し物を教える変わりに、こちらも条件があります 」
「取引…条件って……? 」
レーアの顔色が変わり、真剣な強い眼差しになった。