闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
この指輪が、クリスタル⁈
そういえば、さっき私はこの光に導かれてこの部屋へ入った。
本当に、これがクリスタルだったとしたら……なぜ?
だってこれはダークが……
「これは、これは何のクリスタルなの? 」
何故か胸騒ぎがして、私はそんな言葉を口にしていた。
レーアは一瞬目を細め、呆れたような口調で答えた。
「そんなことも知らずに盗んだのですか? まあ、あなたには必要のないものですけどね。 それは光を導く魔のクリスタルです」
魔の……クリスタル?
指輪を見つめ、ギュッと手のひらで覆うように甲を握った。
「これは魔女が持つべきクリスタル。 魔女たちは既にクリスタルを手にしていると聞いたことがあったけれど、どうなのかしらね?」
チラリと私の目を見る目が、まるで犯罪者を見るような表情だった。