闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
少し涙目になりながらそうつぶやくと、レーアは私に背を向け、ツルの張った壁を触った。
広がっていた草の壁が、ゴウゴウと音を立てて地面へ埋まっていく。
な、何をし出したの⁈
「みなさんと合流しましょう。あなたを信じることにします 」
突然どうしたというのか、レーアは私を信じてくれると言い出した。
迷路が消えた部屋の正面に、入ってきた扉が姿を現していた。
私も彼女の後を追うように、小走りになる。
頭にはハテナマークしか浮かばない。
「恐らく、その指輪は簡単には取れません。……呪いがかけられているようですね 」
呪……い……⁈
私は自分の耳を疑った。
今聞き間違いじゃなければ、呪いって?
「預かった人物に心当たりは・・・あるようね 」
彼女は私の表情を確認することなく、言葉を続けた。
「とりあえずこのことはまだ内密に。水のクリスタルのことも黙っているのよ。 とても危険な匂いがするわ。 油断してはいけない 」