闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》

そう淡々と言ってのけると、先ほどの広間がお目見えした。

みんなが集まっている。

ケイトは植物のソファーに座り、ルキアは壁に寄りかかって腕を組んでいる。

モーガンはじっと窓の外を眺めて立っていた。

ダークがいない。


「全員集めてと言ったはずですが、足りないようですね 」


レーアが辺りを見渡しながら、目を細めた。


「先ほどまで揃っていたのですが、どうしても夜になる前にしたいことがあると言うので・・・少しだけならと 」


ルナが控えめにそう答えた。

ダークがそう言って少し前に外へ出たと言う。

マリノが見張りとして付いて行ったみたいだが、2人ともまだ帰ってこないらしい。


「遅いな。 ちょっとわしが見てこよう 」


しびれを切らしたモーガンが、そうつぶやくと広間を出て行った。

ダーク・・・何をしているの?

心配させないで。

ここにみんなといてくれないと、想像したくないことをしてしまいそう。


「樹里、何かあったか? 」


ルキアが心配そうな瞳でこちらを見た。

私は慌てて首を振る。

なんでもないの。

今はいろいろ頭が混乱してて、何も考えられないから、時間が欲しいの。






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