闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
「それで、奴だけ逃げたとでも言うか? 笑わせるな! その指輪・・・奴からもらったのだろう? 」
私はとっさに左手で指輪を隠した。
全部、彼女にはお見通しだ。
「指輪・・・ 行きに付けていたものか? 外せと言ったのに 」
ルキアが少し切なそうな目で私を見た。
ごめんなさい。
「外せないわ。 恐らく呪いの呪文がかけられている 」
指輪を覆う手に、ギュッと力が入る。
「呪いだって⁈ 」
ルキアが強引に私の手を引っ張ると、パープルの美しい指輪が光に照らされた。
「それこそ、我が魔女のクリスタル。 少し前に、村から盗まれた 」
モーガンが、ゆっくりと近付いてきて、シワだらけの手で私の手をとった。
ダークが魔女から盗んで、私に?
そんなことって、あり得ない。
モーガンが指輪を優しく撫でた。
「この指輪は、他の物に渡った時のために、呪文がかけてあるのじゃ。 この細い指に付けられた指輪は、いつしか己の体を・・・滅ぼすじゃろう・・・ 」
体を滅ぼす・・・?
モーガンは視線を指輪に向けたままつぶやいた。
私・・・死ぬの・・・?
「どうゆうことだよ、モーガン! 魔女ならその呪文解けるだろ⁈ 」
ルキアが声を荒げながら、モーガンに言い寄った。