星にキス。




「そんな…… 意気込んでやらなくたって、いいんだよ?」


ハルの優しい言葉が、胸に染みる。


「ナツは、今まで頑張ってきたんだから! 今までの通りにやればいいんだよ」


どうしてかな?

“頑張らなきゃ、勉強しなきゃ”

そう、思っていた毎日だった。


「体調崩して、受験出来なかったら…… どうするの?」


「――― ッッ!」


ハルに言われて、大切なことに気がついた。


体調が悪くなってしまったら、受験どころでは無くなる。


こんな…… こんな、基礎的な事をあたしは、忘れていたんだ。


ハルの言葉には、色々気付かされる。


あたしが“今”やらなくては、イケないこと。


――― 睡眠。


「大丈夫だよ、ナツ。 ナツは、一人じゃない。 あたしだっているんだから」


「ハル……」


どうしてかな?

ハルのその言葉に、涙が込み上げて来る。




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