愛し過ぎたから


声を出そうにも口には粘着テープが貼られ、手足は何かで頑丈にしばられている。


必死に手足をばたつかせたり、なんとか解こうと試みたが、無駄だった。


その間もあの薄気味悪い声は続いている。


私は今自分の置かれている状況、更に人間とも獣ともつかない唸り声に今まで感じた事のない恐怖を覚えていた。


手!せめて手だけでも解けてくれたら……




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