涙飴
五十嵐の表情は、暗くて殆ど見えない。
でもそのお陰であたしの目と鼻が赤いのも、五十嵐に見えていないだろう。
「嬉しくなんかねーよ。
織原こそ、なんでここに居るんだよ。
誰かに呼ばれた?」
あたしは言葉に詰まった。
まさか『貴方を捜しに来ました』なんて言えないし。
「ちょっと来てみたかったからさ。
それにしても、一人で恋愛橋は流石にキツかった!」
苦し紛れの言い訳に、分かりやすい程の作り笑顔。
五十嵐は、そんなあたしを見て徐に着ているジャージのポケットに手を入れ、何かを取り出した。
そして五十嵐はあたしの左手を取り、手の平にそれを置いた。
その間、あたしの心臓はうるさい位に音をたてていた。
あたしが左手を見ると、一粒の飴が、そこにはあった。
「これって…あたしが来る時あげた飴じゃん」
良く見ると、うっすらと見える包み紙の苺の模様には見覚えがあった。
「ああ。やるよ。
それ食うと、元気になるんだろ?」
でもそのお陰であたしの目と鼻が赤いのも、五十嵐に見えていないだろう。
「嬉しくなんかねーよ。
織原こそ、なんでここに居るんだよ。
誰かに呼ばれた?」
あたしは言葉に詰まった。
まさか『貴方を捜しに来ました』なんて言えないし。
「ちょっと来てみたかったからさ。
それにしても、一人で恋愛橋は流石にキツかった!」
苦し紛れの言い訳に、分かりやすい程の作り笑顔。
五十嵐は、そんなあたしを見て徐に着ているジャージのポケットに手を入れ、何かを取り出した。
そして五十嵐はあたしの左手を取り、手の平にそれを置いた。
その間、あたしの心臓はうるさい位に音をたてていた。
あたしが左手を見ると、一粒の飴が、そこにはあった。
「これって…あたしが来る時あげた飴じゃん」
良く見ると、うっすらと見える包み紙の苺の模様には見覚えがあった。
「ああ。やるよ。
それ食うと、元気になるんだろ?」