涙飴
アップルパイ

今まで
幾重にも重ねてきた
何層にも
何層にも
重なって

それに気付いた時

貴方に食べて欲しいと思った


……だけど

貴方にはこんなアップルパイ
相応しくないよね


あの子の様に
もっと飾り付けなくちゃ

もっと大きくなくちゃ

もっと甘くなくちゃ


貴方に食べてもらう資格なんてない


分かってる

ちゃんと分かってるよ


いくら頑張っても
あの子の様なアップルパイは
あたしには作れない事も


分かってる

ちゃんと分かってるよ……

< 224 / 268 >

この作品をシェア

pagetop