《完》オフィスでとびきりの夜を
     ☆☆☆☆☆



残業を終えて会社を
出ると、あたしはここぞと
ばかりにむくれた顔して
歩き出した。



ズンズン進んでくあたしの
後ろから、小走りに追い
かけてくる足音が聞こえる。



「莉央、ちょっと待ってよ!
歩くの速いって」



「…………」



わかってるわよ。

だってわざとはや歩き
してるんだもん。



だけどあたしの足じゃその
気になれば瑞樹が追いつく
のは簡単なことで、あっと
いう間に瑞樹はあたしの
隣に並んで、



「なんだよ、まだ怒ってる?

悪かったよ、からかったりして」



そう言うと、あたしの
顔色をうかがうように
覗き込んできた。
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