《完》オフィスでとびきりの夜を
あたしだけじゃなく瑞樹の
声までがピンと張り詰め
てて、あたしはさらに狼狽した。



さっきまでの明るい声は
一変、緊張がありありと
わかる余裕のない声で、



「ちょ……やめてください!

それは困るって昨日――!」



「あら、何言ってるの。

昨日だって最後は結局
喜んでたじゃない」



「それは………!

と、とにかくダメです、
離れてくださいっ」



「イヤよ。

――ホントにかわいいコね。

いじりがいのあるコ、私
本当に大好きなのよ……」



(ちょっと――何してるのよ!?

瑞樹、課長―――…!?)



めまぐるしく流れる会話に
あたしもパニック寸前だった。
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