《完》オフィスでとびきりの夜を
あたしは何を言ってたんだろう。



たしかに瑞樹は昔ホストの
仕事をしてた。



だけどそれがチヤホヤ
されたり目立ちたいから
なんかじゃないことは、
ちゃんと知ってるのに。




「オレはさ……。

今日の莉央の気持ちが、
わかるような気がしたから。

理屈で理解してたって、
心の奥の不安や寂しさは
ごまかせないもんな。


けどオレは、ちゃんと
話せば莉央ならわかって
くれるだろうって。

そう信じてたから、課長に
ああ言ったんだけど――…」



「瑞樹………!」



その時、あたしはようやく
わかった。



瑞樹は昼間のあたしに、
瑞樹の昔の恋人を重ねて
たんだって。



(そうだよ……。
瑞樹には、前にもこんな
ことがあったんだ……)
< 97 / 276 >

この作品をシェア

pagetop