甘い疑惑の王子様
「ちょっと真奈美っ!!?」
そんな由利ちゃんの呼ぶ声も
お構いなしに教室を飛び出した。
どうしてここに居るの?
違うかもしれない……
私じゃないかもしれない……
でも……
そんな思いを抱きながらも
私は階段を掛け降りて
傘も持たずに校舎を飛び出した。
『ハァ…ハァ…』
降りしきる雨の中
私は息を切らし車に駆け寄った。
―――ガチャ
ドアの開く音と共に
彼が姿を現した。
『ハァ…ま…雅之さん…』
目の前に現れた彼に
傘を差し出した井上さん。
それを受け取り
笑顔で私を迎える。