甘い疑惑の王子様
自分がもっともな事を言ったのに
自分の言葉に自爆するように
悲しい気持ちになる。
「そんな事思ってるなんて損だよ」
彼の言葉に私は驚いた。
「僕は君を汚いなんて思った事はないし、君は汚くないなんてないよ」
『お…お世辞ならやめて下さいっ!…自分の事は一番分かってる……』
惨めな気持ちになるよ……
貴方に言われると余計に…
私は顔を俯かせた。
「君は綺麗だね」
『―――!!?』
何を言ってるの…この人。
彼の綺麗な手が
私の顔を優しく捕らえる。
ゆっくりと引き寄せられるように
彼の顔と私の顔が近づく…。