俺はお前だけの王子さま
ガラガラ


もう一度
職員室の扉を開ける。


そのまま桂の前に立った。


「あ?またお前か…?」


見上げた桂は
少し目を丸くした。


そして露骨に嫌な顔をする。


相変わらずむかつく…


だけど…


だけど俺は、桂に頭を下げた。


「頼むから…なんとかしてやって欲しい…してください」


頭を下げたまま、言う。



俺はここで
諦める訳にはいかねぇんだ



頭を下げるなんて

まじで馬鹿らしいと思ってた。



だけどあいつのために…
頭を下げた。




渡瀬のために

俺がなんとかしてやる。



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