俺はお前だけの王子さま
返事をしながら

水梨くんの後ろでポカリを飲む王子くんに目がいった。


適当に拭いたのか

無造作に少しはねた黒髪が
まだ濡れている。


少し火照った肌の王子くんが
ポカリを飲むたびに喉が動いた。


何故かそれが
無性に男の子らしくて―…


ドキドキする…。


そんな私の視線に
気付いたらしい。


王子くんは
ポカリのキャップを閉めながら私をちらりと見た。


目が合う王子くんは
いつもより艶っぽい。



なんだか口が渇く


どぎまぎして
私は王子くんから視線を反らした。


なんか私…変態みたいだ…!


「加奈子、時間なくなるから行こ」


私は加奈子をひっぱるようにその場をあとにした。



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