俺はお前だけの王子さま
ギシ…となるベッド。


安いスプリングに、もうひとつ
ため息をついた。



「…ビビってるんじゃねぇよ」


「じゃあなんだよ?」


ヒロキに見つめられ
俺は気まずくて首に手を回した。


「俺はただ…渡瀬が徳井を好きなら俺達の出る幕じゃねぇって思ったんだよ。」



正直…

さっきの話で渡瀬と徳井の絆の深さみたいなものを感じた。


俺やヒロキはそこに立ち入るべきなのか?


渡瀬が望むのは…なんなんだ?


俺は―…




そんな俺に
ヒロキはため息をついた。


「そういうのをビビってるっつうんだよ。」


「………」


「春馬が諦めても俺はいくから。」


ヒロキはそう言うと部屋の電気を消した。



ヒロキの寝息を聞きながら―…


寝心地の悪いベッドのせいか
渡瀬のせいか…


俺はしばらく眠れなかった。


< 177 / 558 >

この作品をシェア

pagetop