俺はお前だけの王子さま
浴衣に着替えると
俺はヒロキをもう一度卓球に誘った。


昨夜のリベンジ。


今日は俺が勝てそうだ。


だけど勝負が決まる前にヒロキがゲームを中断した。


「そろそろ行こうぜ」


ヒロキは携帯を見て俺に言う。


「…はぁ?」


「ほら。夏木さんからメールきたもん。お風呂から上がりました♪だって」


俺はにやけるヒロキを見る。


メールだからって…


「お前…ふざけんな」


逃げる気かよ…


そんな俺を見て
ヒロキはラケットをプラプラさせた。


「ふざけてねぇし。それに今日はこれ以上やったら汗かくじゃん」


「はぁ…?」


「てか春馬汗かいてんじゃん!?お前、馬鹿だなぁ…」


俺を憐れそうに見つめてヒロキはラケットを台に置いた。



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