俺はお前だけの王子さま
「こんばんは~♪」


ガチャリ、と
ドアを開けて普通に女子部屋に入るヒロキ。


まぁ…こういうのは堂々とした方が意外と見つからないもんだ。


俺もヒロキの後に続く。



渡瀬と夏木の部屋…


俺たちの部屋と構造は同じだが
全体的に整理されて綺麗に見えた。



「あ!浴衣姿♪予想以上に可愛いね」


爽やかに笑うヒロキの言葉に
少し頬を染める夏木と渡瀬。


イタリア人かよ…


歯の浮くような台詞をさらりと言うヒロキに呆れながら


俺は渡瀬をちらりと見た。



浴衣姿に艶やかな肌。


ヒロキじゃないけど確かに浴衣が似合う…



ふいに渡瀬と目が合った。


少し焦ったような渡瀬の表情が少し笑える。


なに焦ってんの?


口パクで馬鹿にしてやると
さらに赤くなる渡瀬。


思わず笑っていると
ヒロキと目が合った。


やば…

なんか俺キモかったかも…



ヒロキは何も言わなかった。

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