俺はお前だけの王子さま
俺は隣の渡瀬の方に体を傾けてカードを覗き込んだ。


「出せるカードから出せば良いってもんじゃねぇんだよ…」


「でも次はこれしか出せないよね?」


「だから…そうならないように最初にちゃんと計算すんだよ。」


「え―…」


「とりあえず次はこれ出せ」


俺のアドバイス通りにカードを出す渡瀬。


「次はこれな」


そんな俺と渡瀬を見て夏木は口を尖らせた。


「えぇ~ズルいよ~…」


最初のゲームの貧民は
夏木だった。


納得いかない夏木に苦笑しながら謝る渡瀬。


「じゃ~大富豪からの、最初の命令」


楽しそうに言うヒロキを
少し緊張ぎみに見る夏木。


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