俺はお前だけの王子さま
「……っ」


顔が燃えそうに熱くなった。



水梨くんの長い睫毛が揺れた。


「告る予定ないなら…」


「え?」


「告りたくなるそれまでの期間でも良いんだ…」


「え…?」


半分パニックな私は首を傾げた。


そんな私に
水梨くんは少し微笑んだ。


「その期間で好きにさせるから」


「っ……」


水梨くんの台詞に
また顔が沸騰した。


「てか拒否権無しだしね。そういう訳でよろしく」


「…え?」


「そろそろ集合場所いこっか」


にっこり笑いながら
また手を握る水梨くん。


立ち上がりながら
私は腕を引こうとした。


「手…っ離して…」


恥ずかしい…


だけど水梨くんは
手は離さずに、ただ笑っただけだった。




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