俺はお前だけの王子さま
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TO:ヒロキ

了解。

つか顔拭いとけ。

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送信。

俺は携帯を放って
ベッドから起き上がった。


時計を見るとあと30分…


家庭教に出された課題
まだしてねぇな。


俺は机に座ると
置いてあるシャーペンに手を伸ばした。


指先でくるくる回しながら
ぼんやり卓上カレンダーを見る。


夏休みは鬱だ。

家庭教がさらに忙しくなる。


俺んとこには普段から
週3で家庭教が来る。


それが長期休暇は
週5になる。


ったく…

どんだけ来んだよ…



俺はカレンダー横の
眼鏡に手を伸ばした。


視力も落ちるしマジでうざい。



ウザすぎるけど…

これが親父の出した条件。


俺がいまの公立高校に通う為の条件だ。



「はぁ、めんど…」


小さなため息と同時に
カチカチとシャーペンを鳴らす。


頬杖をつきながら
俺は課題にとりかかった。




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