俺はお前だけの王子さま
「渡瀬が良いっつうまで待つし…」


「王子…くん…」



「だから頼むからもう謝んな。自分が…情けなくなる」


ちらりと渡瀬をみると、視線が絡んだ。


俺はきっと今
情けない顔をしてる…


そんな俺に


「ごめ…」

また謝りかけた渡瀬。


俺はその唇を優しく塞いだ。


優しくキスをして、ゆっくり顔を離す。


「だからもう謝んなって…」


「…う…でも……」


いまだ不安そうな渡瀬に
俺はため息をついた。



「俺…言葉たりねぇけど…渡瀬のことは本気だから」


「…え……」


「本気だからこそ…止まらなかっただけで…」


言いながら、
顔が熱くなるのがわかった。


うざい…

こんなときどう言えば良いかなんて分かるかよ。


言えば言うほど、言い訳がましく感じた。


どんだけ必死だよ…


まじで俺、ダサ…




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