俺はお前だけの王子さま
「??」


あ…

「もしかして、水梨くんと同じとこが良くて受験やめたとか?」


ピンときた私に王子くんは眉をしかめた。


「は、違う。ヒロキが来いっつうから…」


そこまで言ってまた黙る王子くん。


そんな王子くんに私はなんだか笑みがこぼれてしまった。


「だから今も、公立高校に通ってるんだね」


「まぁ、その代わりに家庭教がバンバン来るんだけどな…」


王子くんは鬱っぽい目で勉強机をみた。


だけど…

そのお陰で私は王子くんに出会えたんだ…


「勉強は本当に大変だね。ご両親は怖い人たちなの?」


「別に怖くねぇよ。むしろ甘いけど。まぁ…そういうとこは厳しいかな。」


「へぇ、甘いんだぁ?」


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