俺はお前だけの王子さま
何時間くらいたったのか。


黒い腕時計に目をやると

午前中から勉強を始めたのに、もう3時を越えていた。


どうりで腹がすく訳だ…


山のような課題は半分以上かたずいていて

渡瀬は今、英語の課題をやっていた。


キリが良いとこまで
あと10分くらいってとこか?


俺は腰をあげた。


「ん??」


立ち上がる俺に

熱心に問題を解いていた渡瀬が顔をあげる。


「すぐ戻る」


俺はそう言うと渡瀬を残して外に出た。





近くのコンビニで適当にサンドイッチを買い、ついでに少し雑誌を立ち読みしてからボロアパート戻った。


「ん」

俺は渡瀬に買ってきたサンドイッチを渡す。


「え…?うわっごめん!もうこんな時間?」


サンドイッチを受けとりながら時計に目をやった渡瀬は


少し驚きながら言った。


「とりあえずさっさとそのページ仕上げろよ。俺腹へった」


「うん!ありがとう」


気合いを入れ直すように頷く渡瀬。


渡瀬がページを仕上げると

俺たちはようやくサンドイッチを食べた。



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