俺はお前だけの王子さま
つーか…


「あんな…これじゃ教えれねぇから」


「え…?」


「せめてこっち座れよ」


俺は自分の斜め右の場所に手を置いた。


「正面じゃお互い文字が反対なるだろ」


「あっごめん…」


渡瀬は焦りながら位置をずらした。


小さく息を吐いた俺に

座り直した渡瀬は少し上目遣いで俺を見る。


暑さのせいか少し高潮した頬


「…ごめんね。なんか緊張して」


「は?」


「だって王子くんと二人きりなんだもん」


「………」


部屋の暑さで麦茶の入ったコップはすでに汗をかいていた。


「え…あっ!変な意味じゃなくて単純に二人きりって慣れないし…それで緊張するって意味で……」


無言な俺に、何かに気付いたように急に慌てて喋りまくる渡瀬



そんな渡瀬の唇に俺は軽くキスをした。


チリン…と風鈴が鳴る。



「黙って課題すんぞ…」


「う…うん…」


真っ赤になった渡瀬と俺はようやく課題を始めた。


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