俺はお前だけの王子さま
「………」


私はドーナツを手でちぎりながら不思議な気持ちを感じていた。


私が辛く感じることを
加奈子が共感してくれてる。


私はきっとそれを求めてたし
嬉しいはずなのに、


加奈子に王子くんを悪くみられるのはなんだかショックだった。



「でも…会えば王子くん優しいんだよ」


私はぽつりと言った。


なんか…言い訳みたいで恥ずかしい。


そんな私に加奈子が笑った。


「うわっ愛子がノロケたぁ」


加奈子の言葉に私は思わず赤くなる。


「ごめんね…なんか自分で自分の言いたいことがよく分かんないや」


「いいよぉ。代わりに私もノロケるから」


にひひと笑う加奈子。


「え?なになに?」



「う~ん実はねぇ…」


加奈子が語りだした内容に私は目を丸くした。



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