俺はお前だけの王子さま
「そっかぁ、王子くんから連絡ないんだ…」
私の話を聞いた加奈子が心配そうな顔つきで私を見た。
「愛子からは連絡しないの?」
「う~ん…したいけど、なんか怖いというか。」
「忙しそうなのに連絡して王子くん怒られるのが?」
私はミルクティーをストローで吸いながら苦笑いする。
「違うよ。連絡しても返事が来ないような気がして…それが怖いんだ」
返事が来なかったらまた苦しくなる。
それにきっともっと不安になっちゃうんだ。
加奈子もグラスに視線を落とし氷をストローでカラカラ鳴らした。
「そっかぁ。メールの返事来ないんだ…なんか王子くんらしいね」
「うん。でも半分くらいは返してくれるんだよ」
「半分しかだよぉ。愛子ツラくない?」
「…ツラいし寂しくなる」
「だよねぇ。」
うんうんと頷く加奈子。