俺はお前だけの王子さま
渡瀬 愛子・side

お父さんの言葉

カーテンから射し込む光で薄目をあけると、目の前に王子くんの寝顔があった。


ぼんやりする思考で王子くんの整った寝顔を見る。


あれ…え…?


状況を理解するにつれ心拍数があがる。


お…王子くんと寝たんだ…


泣いたまま寝たせいかなんだか頭も痛い


そういえば私昨晩、号泣もしたんだった…


「~~~っ」

朝から恥ずかしいやらなんやらひとまず離れようと身をよじる。


だけど王子くんの腕が絡んでいて動けなかった。


どど…どうしよう…


王子くんの長い腕は私を包み込みその中で私は抱き枕みたいになっている。


ていうか…今何時だろう?


もぞもぞと顔だけを動かして
時計を探すとまだ5時過ぎだった。


まだ早朝かぁ

少しほっとした私は王子くんの寝顔に視線を戻した。


「………」


なんて綺麗なんだろう


カーテンから射し込むやわらかな陽の光で王子くんの黒髪はキラキラしていた。


透けるような黒髪


本当に王子様みたい…



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