俺はお前だけの王子さま
家に入ると部活を終えた勇気がお腹をすかせて待っていた。


「お腹すいたよね?ごめん~!」


謝りながらお寿司とお茶の用意をする私に勇気は笑った。


「いいよ、誕生日だし王子くんと一緒だったんだろ?」


「えぇ?!///」


「王子くん俺も会いたいな~」


「あ、そうだね…」


勇気の深い意味のない発言にも過剰反応する私。


そんな私をよそに勇気はお寿司を頬張った。


「やばっ!このマグロ溶ける~」



しばらくすると

いつもより早くお母さんも帰ってきた。


手にはケーキの箱。


ケーキにはチョコレートのプレ―トで

《愛子17歳おめでとう》

と書かれてあった。



お母さんの優しい笑顔とかわいい勇気。


裕福ではないけど大好きな家族に囲まれて


体にはまだ王子くんのぬくもりが残っていた。



白いケーキには小さなロウソクを立てて

ささやかだけど最高の誕生日を過ごした。



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