俺はお前だけの王子さま
渡瀬の家の前に
俺たちはスーパーに寄った。


俺が行くかどうかわからなかったから買い物がまだだったとか。


入り口のベンチのところで


「ここで待っててくれる?」


と言う渡瀬の言葉を、ヒロキが却下した。


「荷物持たせてよ!」


と渡瀬の持つカゴに手を伸ばし強引に渡瀬の後を歩く。


ヒロキがスーパーで買い物する姿なんて10年ダチやって初めて見た。


「…………」


俺も仕方なく2人の後ろをついて歩く。


スーパーのおばちゃん達は、
ほぼ間違いなく俺たちを振り返った。


まぁ…場違いすぎるよな。


だけど何人かのおばちゃん達が


「お兄ちゃん達、偉いねぇ!」

「カッコいいわね~」


と笑顔で声をかけてきた。


うざい…


「…………」


だけど…


俺はなぜか悪い気分ではなかった。


だっせぇ


きっとこの異様な雰囲気のせいだ




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