俺はお前だけの王子さま

プロポーズ

車がマンションの前につくと、渡瀬はもうエントランスにおりて待っていた。


ヒロキの結婚式以来


2~3ヶ月ぶりに見る渡瀬はシフォンのワンピースを着ていた。


夕陽を浴びて黒髪は淡い栗色に染まっている。


頼りなさげな癖に凛とした渡瀬


渡瀬はやっぱり綺麗だった。


俺は車からおりて渡瀬の前に立った。


「…よぉ」


渡瀬は俺を見上げると少し頬を染めて微笑んだ。


「…久しぶり。また逢えて嬉しいな」


少し潤んだ瞳が夕陽の中できらきらと輝く。


「…とりあえず行くか」


俺は抱きしめたい衝動を抑えつつ渡瀬を車に乗せた。










そのまま車は予約したホテルのレストランへ到着した。


レストランの前につくとウェイターが案内してくれた。


「え…?こんな高そうなお店、良いの?!」


お店に入る前、小声で俺を見る渡瀬。


渡瀬の渡瀬らしい発言に俺の口元は少しゆるんだ。


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