俺はお前だけの王子さま
その後の二人

親父に結婚報告

「なるべく早めにちゃんと挨拶に行かなきゃね」


プロポーズの翌日


朝の光が射し込む中

渡瀬はホテルの部屋でグレープフルーツジュースを飲みながら言った。


ルームサービスで朝食を取ると言った俺に、ジュースしか要らないと言った渡瀬。


その様子をみていると、口には出さないが昨晩はよっぽど無理して食ったらしい。


「別に…つわりが済んでからでも良くねぇか?」


そんなに体調悪いなら無理することはない。


俺は渡瀬を気遣いつつ言った。


「駄目。ちゃんとリベンジして認めてもらわなきゃ…気になってゆっくり寝れないもん」


そんな俺に対して渡瀬はキッパリと言う。


「だから…親父からはもうOKもらってんだって」


「だけどやっぱりちゃんと挨拶はしなきゃ」


「そんでぶっ倒れたらどうすんだよ」


「そんな少しくらいじゃ倒れないよ。大丈夫だよ~。」


渡瀬は元気をアピールするかのようにグレープフルーツジュースを片手にニッコリと笑った。


< 533 / 558 >

この作品をシェア

pagetop