俺はお前だけの王子さま
そして後日――…




俺と渡瀬は日本庭園を一望できる応接間で、ついに親父に結婚の報告する事になった。


軽い挨拶だけとは言え…

最近あまり食べていないらしい渡瀬はまた少し痩せていた。


…マジで大丈夫かよ


心配する俺をよそに渡瀬は緊張しながらも完璧に挨拶をこなしていた。


前回とは大違いだ。


そんな渡瀬に親父も母親も満足げ。


渡瀬はヤッタという感じで俺にこっそりと笑顔を向けた。


俺もそんな渡瀬に一応答える。


そして小一時間が経った頃


「いやぁ、それにしても5年間でこんなに努力してくれていたとはね」


親父は渡瀬に向かって優しく微笑んだ。


「しかも孫まで…本当に驚いたよ。」


親父の言葉に渡瀬は少し頬を染めた。


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