俺はお前だけの王子さま
雨の放課後


傘をさしながら1人の帰り道。


シトシトふる雨が
余計に心を暗くさせる。


雨も何もかも

ウザい…



しっとり濡れた足元に
目を落とす。



そんな時だった




「あ、王子くん…?」


聞き覚えのある声に
俺が顔をあげると


「…やっぱり!久しぶりです!」


ビニール傘ごしにこちらを見る
渡瀬弟の笑顔があった。


渡瀬弟は友人数名と
学校帰りのようだ。


「王子君も帰りですか?」


「…ああ」


どうみてもそれしかねーだろ


無表情な俺に対して
渡瀬弟は無邪気に笑っている。


まぶしい笑顔


やっぱり渡瀬に似てる…


渡瀬と似た顔で俺に笑う
コイツをみて



最近の渡瀬はこんな風に笑っていない事を


俺は改めて感じた。





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