キミといたくて ~YUI~

違うものをすすめた。水玉ウサギというキャラクターのサイン帳なんて、選んでほしくなかったの。

でも、真由美は。

「色も3種類あるし……」

「ごめん。あたし、水玉ウサギがいいかも」

あたしとの色違いを選んでくれなかった。

「……そっか。じゃあ、あたしはこれを買う」

平静を装ってはいたけれど、内心はイライラしてた。

「600円になります」

「……はい」

あたしは同じ高校にしようと思ってるのに、真由美はまだ亜矢ちゃんのことを。

レジでお金を払う間、あたしは眉間にシワを寄せていたと思う。

一緒にいたい、って考えるのは自分だけのような気がして、ムカついてたんだ。
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