キミといたくて ~YUI~

真由美は誰にでも優しい性格だから、亜矢ちゃんはきっと、それがイヤだったんだ。

真由美とふたりになったとき、あたしも同じように、亜矢ちゃんに嫉妬したから。

「ごめん、真由美。あたし……ちょっと行ってくる!」

「えっ?」

あたしが動かなきゃ、と思った。ふたりがバラバラになったのは、あたしが原因なのだから。

“明日で卒業だし、真由美たちが仲直りができなくっても、あたしは奈美たちに謝ろう”

そんな考え、やっぱダメだよね。真由美はあたしをひとりにしないよう、ずっとそばにいてくれた人なんだもん。

このふたりを元通りにしたい。元通りにしなきゃいけない。

渡り廊下に真由美を残して、駆け足で3階の教室へと急ぐ。

明日は卒業式。もう迷っている時間なんてないんだ。
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