ね、先生。
夏休み。

私が、テニス部に参加することはなかった。
長い休みを何もしないで過ごすのももったいないので、里美の知り合いが経営してる喫茶店で短期間のバイトをした。


8月16日。


「これ、少ないけど。
 短い間だったけど、助かったよ。 ありがとう! また土日忙しい期間はお願いするかも?

 あぁ。 バイト代、少しはずんでおいたからねっ!」

「えっ、ありがとうございますっ!!
 はい、是非また呼んでください!!」


私はマスターからバイト代を受け取り、20日の、先生の誕生日プレゼントを買いに行った。




先生とは、、、

あれから電話も、メールもしてない。



先生の誕生日にあたる20日からは、情報処理の課外が入ってた。



ショーケースに並ぶ時計を私は見ながら、

先生を想い浮かべ、


「あのッ、コレとコレ。 見せてもらえませんか?」


かすかな望みを期待して、時計を選んだ―。
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