ね、先生。
私たちの学校では、2年生の10月に、姉妹校のある中国へと修学旅行へと行っていた。
修学旅行の期間は、6泊7日。出発は、飛行機の夜の最終便で、お昼過ぎに学校へと集合する。

集合した体育館では、初の海外旅行者も多くて、みんなはしゃいでいるのに、そんな中で浮かない顔をした私が居た。




「・・・葵。 楽しみだね。」

「・・・うん。」


里美に声を掛けられ、作り笑いをした後、


「はーい! 今から説明会を始めるから、クラスごとにキレイに並んで~」


出発前の修学旅行の説明が始まった。

説明会には、生徒以外に、校長先生、教頭先生、2学年担任の先生達と、引率で行く先生・渡部先生の姿もあった。


今日の移動の流れや、パスポートの件、お金の管理、明日以降のスケジュール等の伝達方法、ホテルでの注意・・・それらが順序良く説明された後、最後に


「では、担任の先生以外で今回は引率の先生がいらっしゃるので、その先生の紹介を~」


引率の先生の紹介が始まる。


「1組~・・・渡部先生!」


1組は、沢田くんの居るクラスだった。


「「・・・え?」」


で、何故そのクラスに情報の先生の渡部先生が担当なのかが疑問で、里美と一緒に思わず声を漏らす。


「な、なんで、、1組なの?」

「・・・さ、さぁ、、?」


2組、3組と紹介され、


「で、次、4組。 保健の神田先生!」

「「!?!?」」


引率が神田先生と知って、私は里美と思わず握手した。



説明会が終わり、クラスごとに用意されたバスに荷物を運び、乗り込んでいく。
クラスの議長だった私は、一番前の席で、乗り込んだ後の人数を確認する。


「先生~。全員揃いました!」


担任にそう告げて、席に座った時、

通路を挟んで、神田先生が


「よろしくね。葵に、里美。」


と、微笑んだ。
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