ね、先生。
最後にパンフレットと書類を彼女らに渡し、


「はい。
 じゃぁ、頑張って通ってきてね。」


玄関まで彼女らを見送った。



「明日は無理だから、明後日来ます! また、いらっしゃいますよね?!」

「あぁ、、ゴメン。
 私、いつもはここで働いてないの。明日までの応援で・・・。 いつもはここじゃなくて、本社に居てね・・・」

「えーー!! ・・・残念。」

「ゴメンねっ。
 また応援に来ることがあったら、会いましょう。」

「はーい。 さようなら!」

「さようなら~。気をつけてね。」


そう言って、手を振って彼女達を一度見送った後、、、



「ゴメン! 待って!!」


私はホールの自動ドアから外に飛び出し、彼女達を追いかけた。



「ごめん。お願いがあるの、、、!
 先生に。渡部先生に、、コレ渡してくれないかな?」


私は自分の名刺を彼女達に差し出した。


「あと・・・“ありがとう”って、伝えてくれないかな?
 ・・・言えば、・・・分かるから・・・きっと。」


彼女達は、


「ハイ!喜んでッ!!」


快く引き受けてくれた。



自転車に乗って帰っていく彼女らを見つめ、

やっと 私は、

自分の心の奥に詰まってたものがとれた気がした・・・―。
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