ね、先生。
先生に、

本当の事なんか、私の気持ちなんか分かるはずがないと思ってた頭の中を、

休み時間に、5時間目と6時間目に見た光景が、

私の頭の中を少し塗り替えた。



「・・・分かったって・・先生?
 ・・・それで・・?」


唖然とする私に、先生は少し視線をやってから、


「ーん?
 ・・・そのままストレートに話すぞ? 真鍋と、矢部と話してきた。」


ゆっくりと話し始めた。



「真鍋はな、お前に酷いことしたって言ってた。謝りたいってさ。何があったのかまでは聞かなかったけど・・・。

 矢部は、、、お前がこのままテニス部を辞めても構わないと言ってた。」

「・・・。」

「真鍋は、やめておけって言っただろ?前に。
 毎年、葵、お前みたいな子が部活やめて、矢部みたいな子が残るんだよ。2年見たら分かるだろ?」

「・・・。」

「でも、真鍋は今までこういう事があっても知らん顔して認めなかったけど、今回はすごく反省してた。

 ・・・なんかあったか?って、、、お前に聞いても話すわけが無いかっ。」


そう言うと、渡部先生は一瞬苦笑いをした。
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