ただ風のように


「ど……た?だ……じ……か?」


心配そうにみんなが私を見て、遊汰先輩が声をかけるがよく見えないし聞き取れない。


私はそのまま、気を失った。倒れるとき誰かに支えられた気がした。





「……るい……うですか。じゃあ、大丈夫なんですね」


「目が覚めれば大丈夫よ。あなた、ここにいてくれる?あなた達のコーチに報告してくるから」


「分かりました」


私は聞き覚えのある男の人の声と、聞き覚えのない女の人の声がして目が覚めた。


確か私、ゲームをしてて床に頭ぶつけて起きようとして……。気絶したんだ。じゃあここは西高の保健室で保健の先生がコーチに話をしに出ていったんだ。


男の人の声……。誰だっけ?聞き覚えがある。


そのときカーテンの向こう側に人の気配を感じた。カーテンに手がかかったので私は寝ているふりをした。


< 69 / 187 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop