小話の寄せ集め
「ヒンの家族、すげぇ気になるんだけど…」
「大したことないでっせ砂原ちゅーん。
お転婆お茶目なおばあちゃんに、朗らかじいちゃん、ゆるーい父にクールな母!」
「水恵さんはクールってか、殺伐だよな」
殺伐…!?もう一回言う。殺伐!?
「んー、成田家の血筋って、そう形容されること多いよね!
成田のじいちゃんなんか、『冷酷非道殺伐人間』とか言われてたしね!」
ますますヒンの人間性がわからなくなった瞬間だった。
「成田家の遺伝子を打ち負かしたのは、八人中シズク一人だけだったな」
ありがとう遺伝子。ありがとう、ヒンの父方遺伝子!
ヒンのいない学園生活なんて辛すぎます。
「高校三年間は成田家から通うことにして、新しい発見とかいろいろあってすごく嬉しい。
勿論、じぃじやばぁーちゃや湊にいに海くん、ちーちに母と会えないのは、少しさびしいけれどね。
でも、体験学習で作る硝子細工、一つは成田家、一つはウチに贈るんだ〜」
へらっと笑ったヒンに、心がじんわり温まった。
俺、この学園長いけど、こんな純粋な気持ち…聞いたことねぇよ!(涙)
くそっ、なんていいやつなんだ、ヒン!
砂原 秋太、ヒンについてわかったことは。
『この学園に希な、普通の感覚をもつ超いいこ!』ってことでした。
あと、探るようなマネしてごめんね!
これにて終了ー。