SWEET AIR
ざわつく新教室の中、ボクは一人おとなしく席についていた。
回りの子達は近所の中学から来たらしく、思い思いに話している。
(やっぱり…ちょっと寂しいかな…
虐められないように…目立たずそれなりに……)
ボクは心の内に、先輩の笑顔を閉じ込めた。
しばらくすると、教室の扉が無機質な音を立て開いた。
立っていたのは、くしゃくしゃの頭によれたスーツの先生?か…髪の毛くらいはセットしませんか?
「さあ新入生諸君、まずは入学おめでとう。君たちの担任を受け持つことになった、斉賀 保(たもつ)だ。
入学できたからと言って気を抜いてると、あっという間に留年コースだから頑張るよーに。
じゃ自己紹介。ドア側一番前からどーぞ」
そんな気乗りしていないうわべの挨拶のあと、斉賀先生は生徒に立つように促す。
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